お金を減らすためにつくられた金融商品とは?

 はい、正解は、投資信託です。

「そんなバカな・・・」と思われるかもしれません。
 運用益に対する課税5年間ゼロになるからと言って、投資信託を始めてみようとおもったあなた!少し落ち着いて、私の話を聞いてください。
 そもそもこの投資信託、成り立ちの経緯からしてちょっとアヤシイのです。

 バブルが崩壊した1990年代半ば以降、個人の投資家はバブル崩壊期の失敗を繰り返すことを恐れて、株や金融商品に手を出さなくなってしまいました。
 そこで、在庫がたくさん余っている状態の日本株を回転させるために考え出された商品が、投資信託なのです。投資信託は、個人投資家からお金を集め、そのお金を、プロの投資家やファンドマネージャーが、日本の株式や海外の株式に投資して運用します。
そして、それで出た運用利益を投資家に分配する、というシステムになっています。

預ける側の個人投資家からすると、時代に合わせて新しい商品が次々出てくる投資信託は、これから伸びていく、というお墨付きがある分野なので、投資しやすく感じます。
また、自分のような素人ではなく、プロが運用をしてくれるという安心感があります。
なんとなく、確実にお金が増えそうな気持ちになりますよね(笑)。

 ところが、投資信託は、実は販売する側にとってのメリットの方が、より大きく作られている商品なのです。
 「新しい商品が売れるたびに、手数料が入る」
 そう、これが投資信託の最大の目的なのです。

 はっきり言ってしまうと、投資信託は、販売者である銀行が、手数料を稼ぐために作られた商品なのです。運用実績にかかわらず手数料が入るという、販売側にとってはデメリットの一切ない商品だと言えるでしょう。
 それは、銀行や販売会社が運用成績に関して、まったくリスクをとっていないからです。
 投資信託の販売や運用に関わる人材の人件費などのコスト、さらに企業利益をあらかじめ手数料で回収する、というシステムになっているのが、投資信託という商品です。
 銀行などの販売会社は、販売した時点で確実にコストと利益を確保しています。つまり、銀行にとっては「売った時点ですぐに」、「売れば売るほど」、儲かる商品というわけです。

 運用会社も、信託報酬として毎年一定の手数料が入ってくるしくみです。運用成績が良かったとしても悪かったとしても、たとえ、あなたから預かったお金を増やさなかったとしても、運用会社がもらえる手数料は変わりません。しかも、それは確実に入ってくる手数料なのです。

 もちろん、運用が成功すれば、その利益は投資した側に分配されます。
 それを期待して、高い手数料を支払ってでも投資信託を始める人はいます。
 ただ、投資信託の対象に選ばれるのは、マーケットからの高評価を得たものがほとんどなので、安定したマーケットではありますが、その分「化ける」ことは望めず、大きな利益は期待できないことが多いのです。
 その一方で、リーマンショックのような「急落」のリスクからは逃れられません。

 こんなふうに見てくると、投資信託は、個人投資家にとってのメリットがあまりに少ない商品だ、と思いませんか?
 当然、銀行員で、投資信託で資産を増やしている人は皆無、なのです。

※本日、重版が決定して、各書店でも好評の「銀行員だけが知っているお金を増やすしくみ」
六本木駅すぐのあおい書店でも、面陳して頂いています。
http://asset-life.co.jp/okane.html


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