埋没費用と恋愛と映画
3月 4, 2014
【埋没費用と恋愛と映画】
映画でも観ようか、とデートで映画館に行く人、多いですよね。恋愛の特に最初の頃の王道といってもいいこのデートコース。
さて、どうせならと思い、前売り券をローソンで買って観に行ったとしましょう。きっとこの監督、この配役なら面白いに違いないよ、と相手と相談して出かけました。
ところが、展開は思いがけない事態となります。映画が期待したほど面白くはなかったのです。
さて、どうしましょう……?
“経済学の鉄則のひとつに、
「すでに使った費用で、戻ってこないコストは、金額の多寡にかかわらず、今後の判断材料にはしない」
という考え方があります。
これを「サンクコスト(埋没費用)」と呼びます。
例えば、ある映画の予告を観て、面白そうだと思ったあなたは、前売りチケットを購入しました。一枚1300円でした。
上映日になり、あなたはそのチケットを持って、張り切って映画館に出かけます。
ところが、上映が始まって10分……。
「この映画は、私の好みではない。全然面白くなさそう。最後まで観るのがつらい」
と感じたとします。
そんなときに、「でも、1300円がもったいないしなあ」と考えて、つまらないと思いながらも最後まで観たとしたら、それは経済学的には「損失」となります。
何を「損失」したのでしょうか。
それは、「つまらないと思いながら、ムダに過ごした2時間」です。
ここでのサンクコストは、前売りチケット代の1300円です。
(以上、『銀行員だけが知っている お金を増やすしくみ(集英社)』より抜粋)”